絵手紙の書き方・初心者向けの基本とコツ

忙しい毎日の中でも、手描きの一枚には不思議と心が宿ります。
「ありがとう」「元気でね」──
短い言葉でも、筆で書くと真っすぐに気持ちが伝わるのが絵手紙の魅力です。

この記事では、初心者さんでも今日から描ける絵手紙の書き方を、
道具・言葉・手順のポイントに分けてやさしくご紹介します。

まずは肩の力を抜いて、あなたの“今の気持ち”を一枚に込めてみませんか?

水仙の花を描いた絵手紙
春を告げる水仙の花を描いた絵手紙です
目次

絵手紙とは

なすを描いた絵手紙
素朴で親しみやすい、なすをモチーフにした絵手紙です

絵手紙は、「絵のある手紙」のことです。
お花やお野菜、季節のものをモチーフに描き、そこに短い言葉を添えて気持ちを届ける日本ならではの表現方法です。

絵の上手・下手よりも大切なのは、“今の自分の気持ちを筆にのせること”
絵手紙の創始者・小池邦夫先生の「ヘタでいい、ヘタがいい」という言葉があるように、
うまく描こうとせず、素直な線や色をそのまま残すことが魅力になります。

手書きだからこそ伝わる温かさ、
余白の“間”ににじむ想い──
絵手紙は、スマホで簡単にやり取りできる今の時代だからこそ、
より深く心に届くコミュニケーションの一つです。

絵手紙の書き方の基本ステップ

絵手紙は、特別な技術がなくても始められる“やさしいアート”。
ここでは、初心者さんでも今日から描ける基本の流れを紹介します。


① モチーフを選ぶ

身近にあるものが一番描きやすいです。
季節の花、果物、野菜、お気に入りの雑貨など、
“今の自分が描きたいもの”を選びましょう。


② 下書きをせずに一気に描く

絵手紙では、下書きをしません。
筆を紙に置いたら、ためらわずにスッと線を引くことで
素直でのびやかな線が生まれます。
失敗してもそのまま味になるのが絵手紙の魅力です。


③ 顔彩(絵の具)で色をのせる

濃い色を使いすぎず、
“余白”を残しながら塗ると奥行きが出ます。
にじみやムラも味わいとして楽しんでください。


④ 言葉を添える

絵を描いたら、短い言葉を一言。
「ありがとう」「元気でね」「おつかれさま」──
長い文章よりも、素直な気持ちが伝わります。


⑤ 落款(名前)を入れて完成

最後に名前や印(はんこ)を入れると、
作品らしい“締まり”が出ます。
市販のものでも、自分で作ったゴム印でもOKです。


ここまでできたら、もう立派な絵手紙の完成です。
まずは1枚、気軽に描いてみましょう🍀

絵手紙に必要な道具

絵手紙を始めるために、特別な道具は必要ありません。
最低限そろえておくと便利なものを紹介します。


① ハガキ(画仙紙)

絵手紙専用の「画仙紙ハガキ」は、にじみの表情が出て初心者でも描きやすい紙です。
文具店でも手に入ります。


② 筆(面相筆・彩色筆)

・輪郭線を描く細い筆(面相筆)
・色をのせる彩色筆
この2本があれば十分です。
はじめのうちは、使いやすい筆1〜2本でOK。


③ 顔彩(がんさい)・水彩絵具

和の雰囲気を出したい場合は顔彩が合います。
手軽に始めるなら、水彩絵具でも問題ありません。


④ 墨・すり皿

輪郭線を描くときの“にじみ”や“かすれ”が絵手紙の味になります。
最初は墨液(ボトルタイプ)でも大丈夫。


⑤ 筆洗(小さめの水入れ)

色を変えるたびに筆を洗うため、2つあると便利です。
・濃い色用
・薄い色用
と分けると、色が濁りません。


⑥ キッチンペーパー・新聞紙

筆の水気を取ったり、机を汚さないために必須。
家にあるものでOKです。


必要な道具はこれだけ。
「用意が大変そう…」と思っていた人も、気軽に始められることがわかるはずです。

言葉の書き方のコツ

絵手紙は難しそうに見えて、実はとてもシンプル。
絵が得意じゃなくても大丈夫です。
ここでは、初めての方でも失敗しない “基本の流れ” を紹介します。


① モチーフをよく観察する(1分でOK)

描く前に、じーっと見てみる。
影の濃いところ、明るいところ、形のゆがみ……
「かわいい形してるなぁ」「ちょっと曲がってて面白い」
そんな風に感じた“印象”を大切にします。


② 輪郭は一気に描く(ゆっくりでいい)

細かさより、勢いのある線 が絵手紙らしさ。
筆ペンでも、黒のペンでもOK。
線が震えたり、曲がったりしても、それは“味”になるので気にしないで◎


③ 色は2〜3色で十分

絵の具、固形水彩、色鉛筆…何でも使えます。
色は 全部を塗りつぶさず、白を残す と雰囲気アップ!


④ 言葉を添える(短いほど良い)

「ありがとう」
「よく頑張ったね」
「寒いね〜あったかくしてね」
あなたが感じた“ひと言”をそのまま書くと、心に届きます。


⑤ 仕上げにハンコを押す

手作りの落款(らっかん)やイニシャル印でOK。
最後にポンと押すと、一気に絵手紙らしい仕上がりに✨

絵手紙を続けるコツ

絵手紙は「上手さ」よりも「気持ち」を大切にする世界です。
ここでは、長く楽しみながら続けるためのポイントをご紹介します。

絵手紙には「ヘタでいい、ヘタがいい」という言葉があります。
絵手紙は「上手さ」よりも「気持ち」を大切にする世界です。ここでは、長く楽しみながら続けるためのポイントをご紹介します。


①上手に描こうとし過ぎないこと

絵手紙には「ヘタでいい、ヘタがいい」という言葉があります。線がゆがんだり、形が崩れたりしても、それがその人らしさになります。はじめのうちは写実より気持ちを意識すると気持ちが楽になります。

②途中でやめず、最後まで仕上げてみる


思いどおりに描けなかったと感じても、最後まで色を入れ、言葉を添えてみてください。仕上げまで描くことでまとまりが生まれ、味わい深い一枚になります。

③まずは描きたいものを題材にする


興味の薄い題材より、好きなもの、よく見るもの、心が動くもののほうが描きやすく続けやすくなります。身のまわりには題材がたくさんあります。

④小さな目標をつくると習慣になる


大きな目標よりも達成しやすい小さな目標を設定すると続けやすくなります。月に1〜2枚、季節ごとに1枚、旅のときに1枚など、無理のないペースが続けるコツです。

⑤仲間がいると楽しさが広がる


教室やサークル、SNSなどで絵手紙仲間ができると刺激や学びが増えてより楽しめます。感想をもらえることでモチベーションにもつながります。

まとめ

絵手紙は、特別な技術よりも「気持ち」を大切にする表現です。道具も多くなく、身近なものを題材にできるので、どなたでも気軽にはじめられます。季節のものや旅先の風景、日常の小さなときめきなど、暮らしの中には描きたいものがたくさんあります。

思いどおりに描けない日があっても大丈夫です。線が曲がったり、色がにじんだりしたとしても、それがその人らしさとなり、味わいになります。小さな目標を作りながら、無理のないペースで続けてみてください。

絵手紙を通して、日々の景色が少し違って見えたり、人とのつながりが深まったり、心がふっとほどけるような時間が生まれます。このブログでは、そんな絵手紙の魅力や楽しみ方、道具選びのヒントなどをお届けしていきます。
あなたの毎日に、あたたかな一枚が増えますように。

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